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- ご利用者とのコミュニケーションが苦手なので克服したい
- ご利用者に接するときは何を注意したらいいの?
- コミュニケーション能力を鍛えて、介護職として成長したい
介護職にとって、ご利用者とのコミュニケーションは欠かせません。
しかし、接し方に悩む介護職員は意外に多いです。コミュニケーションがスムーズにいかないと、介助拒否や思わぬ事故につながります。
筆者は介護職として15年以上の経験があり、様々なご利用者と関わってきました。
この記事では、ご利用者とのコミュニケーションの目的や接し方の基本・コツ、状況別の対応方法までまとめて解説します。
この記事を読めば、コミュニケーションへの苦手意識がなくなります。ご利用者に対してスムーズに接することができるでしょう。
ご利用者とのコミュニケーションの目的は、信頼関係を築いて安全に介助するためです。
接するときは笑顔が基本です。ご利用者へはゆっくりはっきり話すこと、非言語コミュニケーションの活用がコツとなります。
ご利用者とのコミュニケーションの目的
ご利用者とのコミュニケーションには、以下の目的があります。
- 信頼関係を築くため
- 安全に介助を行うため
信頼関係を築くため
コミュニケーションの目的は、信頼関係を築くためです。
ご利用者との関わりが少ない場合、職員・ご利用者ともにお互いのことがよく分かりません。お互いのことが分からないと、ご利用者を不安にさせてしまうでしょう。
コミュニケーションを重ねることで、職員を知ってもらえます。職員を知ってもらうと、顔なじみの相手としてご利用者からの信頼につながります。
信頼関係を築くのが、コミュニケーションの目的です。
安全に介助を行うため
安全に介助を行うのもコミュニケーションの目的です。
介助では声掛けが必須です。次の動作を伝えることで、ご利用者は心の準備ができます。心の準備ができると、ご利用者は戸惑いません。
安全に介助できて事故防止につながります。
コミュニケーションの目的は、安全に介助を行うためです。
ご利用者への接し方4つの基本
ご利用者へ接するときの基本は以下です。
- あいさつ
- 笑顔
- 相手の目を見る
- 正面から視界に入る
あいさつ
接するときの基本はあいさつです。
あいさつは、する側・される側ともに気持ちいいものです。ご利用者からは「感じのいい職員さんだな」と思われるでしょう。
あいさつをきっかけに会話が始まることもあります。
積極的にあいさつしましょう。
笑顔
笑顔も接し方の基本です。
笑顔には相手の不安をやわらげる効果があります。
笑顔でご利用者に接すると、安心感を持ってもらえます。信頼関係も築けるでしょう。
笑顔を意識してコミュニケーションを取りましょう。
相手の目を見る
コミュニケーションでは相手の目を見るのも基本です。
目を見て接すると、相手への興味を示せます。
会話中に目を合わせると「この人は話をしっかり聞いてくれる」と相手からの印象が良くなります。
注意点は、相手の目を見過ぎないことです。
目を見るのが基本とはいえ、ずっと目を見ているのは不自然です。相手に不快な思いをさせてしまうでしょう。
目を1秒見たら視線を外して、また1秒目を合わせるといった工夫が必要です。
目を見るのが苦手な方は、目の周りを見るだけでも十分効果があります。
正面から視界に入る
ご利用者とのコミュニケーションでは、正面から視界に入るのが基本です。
後ろからいきなり声をかけると、ご利用者を驚かせてしまいます。ご利用者が歩行中の場合、転倒するかもしれません。
正面から視界に入り、落ち着いてから話しかけましょう。
ご利用者への接し方のコツ5選
ご利用者へ接するときのコツは以下です。
- ゆっくりはっきり話す
- 傾聴
- 適度にうなずく
- 非言語コミュニケーションを活用する
- 質問の仕方を工夫する
ゆっくりはっきり話す
接し方のコツは、ゆっくりはっきり話すことです。
早口で話されると、ご利用者は聞き取れません。聞き取りやすいよう、ゆっくりと話しましょう。
はっきり話すことも大切です。口元を見せてはっきり話すと、何を話しているか伝わりやすくなります。
一般的に高齢者は高い音が聞こえにくくなります。落ち着いた低めの声で話しましょう。
傾聴
傾聴も接し方のコツです。
傾聴とは
相手を理解するため、単に話を聞くだけでなく、目や耳・心を傾けて熱心に聴くコミュニケーションスキル。
傾聴することでご利用者に安心感を与えます。安心感があると、本音を話しやすくなり信頼関係にもつながります。
傾聴を意識してコミュニケーションを取りましょう。
適度にうなずく
会話中、適度にうなずくのもコツのひとつです。
話に合わせてうなずくと「聞いてくれている」と感じ、さらに話したくなります。
ご利用者の話す意欲を引き出して信頼関係を築けるので、うなずきは有効です。
機械的にうなずくのはよくありません。
大切なのは、適度にうなずくことです。
話の内容に合わせて、納得したり共感する部分でうなずきましょう。
非言語コミュニケーションを活用する
接し方のコツとして、非言語コミュニケーションがあります。
非言語コミュニケーションとは、言語以外の手段によるコミュニケーションです。
高齢になると、視覚や聴覚・言語能力が低下し、言語によるコミュニケーションが取りづらくなります。言語でのコミュニケーションが取りにくい場合、非言語コミュニケーションは特に有効です。
代表的な非言語コミュニケーションは以下です。
- 身振り手振り
- 表情
- 視線
- 姿勢
- 声のトーン
- スキンシップ
優しい表情や声のトーンなど、非言語コミュニケーションを活用すると、ご利用者は安心します。話しやすい雰囲気も作れます。
言葉とともに非言語コミュニケーションを活用して、ご利用者と信頼関係を築きましょう。
質問の仕方を工夫する
質問の仕方を工夫するのもコツです。
質問には「開かれた質問」と「閉じた質問」があります。
- 開かれた質問
- 自由に回答できる質問。「はい」「いいえ」だけでは回答が終わらない。例)今日の体調はどうですか?
- 閉じた質問
- 「はい」「いいえ」や短い回答で終わることができる質問。例)コーヒーは好きですか?
ご利用者に色々と話してほしい場合は、開かれた質問を行いましょう。
認知症や言語障害などで意思疎通が困難なご利用者には、閉じた質問が有効です。
ご利用者の性格や心身の状態に合わせて、質問の仕方を使い分けましょう。
コミュニケーションが難しく感じる状況と対応方法
ここからは、介護職員にとってコミュニケーションが難しく感じる状況と、対応方法を解説します。
- 関係が浅く話題がない
- 認知機能が低下しているご利用者と関わる状況
- レクリエーション
関係が浅く話題がない
関係が浅いご利用者とのコミュニケーションは、難しく感じます。
関係が浅いと、どのような話題を出せばいいのか分かりません。コミュニケーションが弾まない可能性が高いです。
施設であれば、入所直後のご利用者との接し方に悩むケースもあるでしょう。
関係が浅く話題がない場合、大切なのは事前の情報収集です。
- 出身地
- どのような仕事をしていたか
- 昔の思い出
- 趣味や好きなもの
事前に情報を把握することで、関係が浅いご利用者相手でも話題に困りません。
話題選びのポイントは、ご利用者が積極的に話せる内容を選ぶことです。ご利用者が不快に感じる内容や、悲しい話題は選ばないようにしましょう。
認知機能が低下しているご利用者と関わる状況
認知機能が低下しているご利用者とのコミュニケーションも難しく感じます。
認知機能が低下すると、声掛けに対して反応が薄くなります。何度も同じことを聞くのも特徴です。
認知機能が低下しているご利用者への対応に悩む介護職員は多いです。
認知機能が低下していても、豊かな感情は生きています。古い記憶が残っていることも多いです。
接するときは、ご利用者の気持ちに寄り添うことを意識しましょう。ご利用者の言葉を否定しない、ペースを合わせるのも大切です。
認知機能が低下しているご利用者には、非言語コミュニケーションも有効です。
レクリエーション
レクリエーションが苦手な介護職員も多いです。
「大人数の前は緊張する」「声を出すのが恥ずかしい」が主な理由です。
筆者も介護職として働き始めた頃は、レクリエーションが苦手でした。人前で緊張しやすい方は、特に難しく感じるでしょう。
レクリエーションで大切なのは、職員が楽しんで行うことです。
中途半端に恥ずかしがったり、嫌々行うのはよくないです。ご利用者が楽しめません。
ただ、楽しんで行うと言われても「楽しむのは難しい」「どうしても緊張する」という意見があります。筆者も緊張しやすいので、よく分かります。
緊張をなくすのは非常に難しいです。緊張を消すことは考えないようにしましょう。空元気でいいので、楽しそうに見せることが大切です。
レクリエーションには「慣れ」も必要です。どんどん経験を重ねましょう。
まとめ
ご利用者とのコミュニケーションの目的
- 信頼関係を築くため
- 安全に介助を行うため
コミュニケーションを重ねることで、ご利用者と信頼関係を築けます。
安全に介助するためにも、コミュニケーションは必要です。
ご利用者への接し方4つの基本
- あいさつ
- 笑顔
- 相手の目を見る
- 正面から視界に入る
あいさつは会話のきっかけになります。積極的にあいさつしましょう。
笑顔でご利用者に接すると、安心感を持ってもらえます。
相手の目を見て、興味を示しましょう。
後ろから声をかけると、ご利用者を驚かせてしまいます。正面から視界に入るのが基本です。
ご利用者への接し方のコツ5選
- ゆっくりはっきり話す
- 傾聴
- 適度にうなずく
- 非言語コミュニケーションを活用する
- 質問の仕方を工夫する
早口で話されても、ご利用者は聞き取れません。ゆっくりはっきり話しましょう。
傾聴することで、ご利用者に安心感を与えます。話に合わせて適度にうなずくと、ご利用者はさらに話したくなります。
非言語コミュニケーションを活用しましょう。「開かれた質問」「閉じた質問」を使い分けるのもコツです。
コミュニケーションが難しく感じる状況と対応方法
- 関係が浅く話題がない
- 認知機能が低下しているご利用者と関わる状況
- レクリエーション
関係が浅く話題がない場合、事前にご利用者の情報収集をしましょう。ご利用者が積極的に話せる話題を選ぶのがポイントです。
認知機能が低下していても、豊かな感情は生きています。ご利用者の気持ちに寄り添いましょう。
レクリエーションで大切なのは、職員が楽しんで行うことです。
経験を重ねると、コミュニケーションは上達します。
あまり深く考えすぎず、ご利用者に接していきましょう。
以下の記事では、介護職のよくある悩みと解決方法をまとめています。